よく、「どんな出来事も、自分に必要な経験だから起こる」と考えることで、受け入れにくい経験をネガティブに感じる気持ちを納めようとしたり、辛く感じる経験の最中にいてその経験を昇華しようと葛藤する人に向けて生暖かい笑顔と共に「全ての瞬間に大事な意味が〜♪」というような浮ついた調子の自称ヒーラーが足をひっぱっているのを見かけますが(>▽<)アタシは「嫌なものは嫌だよ」ときちんと感じることは「大好きだ!」と感じることと同じだけ大事だと思っています。
必要でやってくる経験に対してはまず頭で考える前に瞬間に自分に沸き起こる感情があって、その感情を認識したうえでさあこの出来事とどうやって歩んでいくよ?ということが大切なんであって、「嫌なこともあるけどポジティブに!」というのは本当にはポジティブでもなんでもなく、出来事を見据えない短絡で、結局のところ自分無視もいいところだと思っています。
じゃ、辛いと感じる出来事をきちんと経験するにはどうしたらいいか、ということですが、アタシの場合「大丈夫。」と、ただ「大丈夫。」と自分に言っています。自分に自信があろうと無かろうと関係ありません。「大丈夫。」と言う言葉や思考には自分を大地と繋げ真っ直ぐに前を向き経験の良し悪しに関わらず向かい合うエネルギーがあります。出来事をとかく辛いと感じやすく、出来事に振り回され、自分の感情に右往左往しがちな人はよくわかると思いますが、経験の最中に「大丈夫。」と思えるようになることはそれ自体がまず難しい。だから自分に何の根拠もなくていいから「大丈夫。」と言えるようになるだけでも意識は大変革を起こします。そうして出来事に対処できる落ち着いた自分を取り戻す経験をしながら、目の前の出来事に意味や理由をもとめずに淡々と処理し捌き、また感情が浮ついたら「大丈夫。」と。これを繰り返しているうちに辛い感情と出来事は過去になり、必要な経験を身につけた「自分のエキスパート」とでもいう自分が立ち上がっていることにきっと気がつきます。そうなってから初めてゆっくりと「自分は必要な経験をすることができた」と思えばいいのだと思うのです。
自分の答えは自分の中に。本来内省というのは考えすぎることではなく、思考と実践が表裏一体になっていること、自分の掛け値のないありのままの思考を見つけ出し、それに基づいてありふれた日々を丁寧に見ていくことだとアタシは思っています。