何度も玉屋物にしてお出ししていたけど、最近お見せする機会も増えたし、そういえば使用素材としてしか説明したことがなかった(ような気がする)ので、今日はルドラクシャのことを少し。
ルドラクシャ/rudraksha の由来はサンスクリット語でシヴァ神(rudra/ルドラ)の目(aksha/アクシャ)を意味しているとのこと。神話には諸説あるようですが、シヴァ神が人々の幸福の為に瞑想しやがて人々の苦しみを深く理解し強く救済したいと願うに至り、その熱い想いが涙となってこぼれ落ち、その落ちた場所に菩提樹の木が育ち実った実をルドラクシャと呼ぶ様になった、という物語が良く知られています。
菩提樹はブッダが悟りを開いたのが菩提樹の下ということで、お数珠について記した経典には、菩提樹の実を最上している記述が多数みられます。「仏説校量数珠功徳経」には、真珠や珊瑚の数珠であれば「経を読み珠を爪繰ること一遍にて福の百倍を得ん」、蓮子の実の数珠であれば 「福の万倍」、水晶の数珠でれば「万々倍」、菩提樹の実であれば「その福無量にして算数すべからず」の記載があります。
しかしブッダが悟りを開いた『クワ科イチジク属インドボダイジュ』である菩提樹と、ルドラクシャが生る木としての『ホルトノキ科ホルトノキ属インドジュズノキ』である菩提樹は別物です。ブッダが悟りを開いたといわれるインド菩提樹の実は小さく加工に適していない為、インド数珠の木である金剛菩提樹の実がいわゆる『菩提樹の実』として扱われ、これを今日「ルドラクシャ」と呼んでいます。
玉屋で最近扱っているルドラクシャは実に5つの筋の入ったパーンチャムキー(5MUKHI)と呼ばれるルドラクシャで、ルドラクシャの約95%を占めるルドラクシャでもあり、ルドラクシャといえばこの5MUKHIと言っても過言ではありません。
実はルドラクシャにはこの筋が1から多いものでは20以上のものまであって、ルドラクシャの基本的な性質(シヴァ神の慈悲/目標達成と平安)に個性を与える要素として様々な古典や文献にその性質が記載されています。ちなみに、玉屋で扱っている5MUKHIの呼称「パーンチャムキー」とは「シヴァ神の妻」ことです
たとえばこの1MUKHIのルドラクシャは「エークムキー(最高神ブラフマー)」で「カルマの浄化/救済/大いなる富と財産」のルドラクシャ。
4MUKHIのルドラクシャは「チャールムキー(四つの顔を持つ者)」で、「過去世において為した罪業が焼かれる/専門分野の第一人者/原理理解者」のルドラクシャ。
6MUKHIのルドラクシャは「チェームキー(シヴァプトラ・スカンダ/シヴァ神の息子スカンダ軍神)」で、「知識の向上/事業の成功/学業の達成」のルドラクシャ。
そしてこの5MUKHIのルドラクシャ。この突起のあるルドラクシャはこの突起が象の鼻に見える事から本来の性質にさらにガネーシャ神の加護も受けることができると言われるルドラクシャ。
玉屋物としてお店にはお出しすることはないコレクターズアイテムのルドラクシャですが、世の中にはこんなルドラクシャも存在しますので、ご希望があれば取り寄せしてオリジナルアイテムとして製作のご依頼を承ります。どうぞ
お問い合わせくださいませ。
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